こちらのページでは以下の3つのことについて記載しています。

1⃣強迫性障害/不安障害の悪循環の原因

2⃣回復の方向性

3⃣カウンセリングについて


1⃣強迫性障害/不安障害の悪循環の原因

なぜ強迫性障害や不安障害の悪循環にとらわれていくのかを説明します。

※森田療法の理論をベースにしています。

●「期待」と「不安」

人間には、よりよく生きたいという「期待や願望」とうまくいかなかったらどうしようという「不安な気持ち」は表裏一体で存在しています。

・健康でありたいと思うからこそ、汚れていたらどうしよう‥

・成功したいと思うからこそ、ミスがあったらどうしよう‥

・人を大切にしたいと思うからこそ、傷つけてしまったらどうしよう‥

・人に認められたいと思うからこそ、赤面したら、失敗したらどうしよう‥

といった具合に考えることは、人間の当然の心理なのです。

 

●思想の矛盾/精神交互作用

少しくらいあってよい不安や恐怖を「絶対にあってはならない」と考え、知性で排除していこうとする姿勢のことを「思想の矛盾」といいます。

・仕事の時には、1つのミスも許されない‥

・目に見えない汚れさえも残してはいけない…

・人前に出る時に、少しも緊張してはいけない‥

 

このように誰しも多少の不安や恐怖はあるにもかかわらず、それを気にしないように努力したり、打ち消そうとすればするほど、ますます意識がそのことに集中してとらわれが深まり、より大きな不安へと発展してしまうのです。(精神交互作用) 

●不安や恐怖を消そうとはからうと‥

自分の中に生じたささいな不安や恐怖が、思想の矛盾と精神交互作用によってより大きくなり、それによる不安を解消しようとして、強迫行為(洗浄や確認)や対策をしてはからうと、その瞬間はすっきりしたように感じるのですが、次はもっと小さな不安にも注意と感覚が集中してしまい、強迫性障害や不安障害の悪循環に巻き込まれていってしまうのです。

・ミスが気になって、確認を何度も繰り返してしまう‥

・汚れが気になって、手を洗い続けてしまう‥

・緊張がばれないように、赤面や震えを見られないようにする‥

●巻き込みについて

家族や身近な人が強迫性障害の症状に巻き込まれることを「巻き込み」といいます。

何度も何度も保証を求められたり、本人に代わって洗浄や確認行為をさせるなどの状況が発生することがあります。家族や知人を巻き込んでの強迫性障害の悪循環が発生している状態にあります。

●回避について

強迫や不安が発生する状況が辛いので、そういう状況を回避をすることも悪循環を助長することになります。

以下の図のように、回避をするほどに行動範囲が狭まり、またその狭まった中で強迫や不安が生じるようになっていきます。


2⃣回復の方向性

強迫性障害や不安障害の悪循環を打破するためのキーワードを紹介します。

①あるがままに

不安や恐怖をあるものだと認めること。

完全に不安をなくそうとすることで、余計に不安に注目がいって悪循環になってしまうのが強迫性障害です。

「期待」と「不安」は表裏一体であり、よりよく生きたいと考えている人は誰しも不安を持って生きていくものだと認めることが大切です。不安をなくすのではなく、不安はあってもそのままにして行動していける自分になることを目指していきましょう☆

 

②目的中心の行動

不安は多少抱えつつも、本来しようとしている行動に踏み出していくことです。不安や辛さがあっても、目的を成すことが大切なことです。

※気分中心は要注意

自分の心地よい状態を一番に考えると、気分が悪くなりそうな行動をとらなくなり、余計に行動できずとらわれが強くなっていきます。

  

期待/願望の実現(善循環に)

強迫性障害の人はその大きな不安や心配の裏に、必ず「よりよく生きたい」という「生きる力」を持っています。

症状や不安の先に「何をしたいのか?」を考えながら、不安を排除するところに向いていたエネルギーの方向転換をし、本来やりたかったことに向かって行動していていくことで少しずつよい循環を作っていくようにします。


【補足】認知行動療法(曝露反応妨害法)について

強迫性障害の治療には認知行動療法の中の『曝露反応妨害法(ERP)』がよく使われています。

曝露‥恐怖や不安が生じる対象にあえてさらすこと

反応妨害‥不安を解消するための強迫行為をしないこと

※当相談室でも、状況に応じて補足的にこの方法を取り入れることがあります。

●曝露、反応妨害の効果

下の図に示されている通り、不安が生じる対象に曝露すると一時的に不安の程度は上昇しますが、時間と共に不安は下がってくるようになります。

そして、それを何度も繰り返せば繰り返すほどに、不安を感じる強度がだんだん下がってくるようになります。

強迫性障害の認知行動療法マニュアルより引用(九州大学行動療法研究室)

●不安階層表

強迫や不安を感じる対象となることを一覧にした不安階層表を作ります。これを元に、より不安の低いものから曝露していって不安に慣れていき、徐々に強い不安を感じるものまで克服していくようにします。

(以下、不潔恐怖の事例)


3⃣カウンセリングについて

はじめてカウンセリングを受けられる方は、カウンセリングではどんなことをするのだろうとイメージがつかない方もいらっしゃるかもしれません。

 以下の2点のことについて書いていきます。

・カウンセラーが心がけていること。

・カウンセリングを通してどんな効果がご相談者様にもたらされるのか?


◉カウンセラーが心がけていること

 ①尊重すること

どんな状況、どんなお悩みでも、まずしっかりお話を聞かせて頂きます。その際、何かを評価したり、判断することもなく、無条件にご相談者様を尊重し、大切にしながらお話を聞かせて頂きます。

 

②心に寄り添うこと

心の悩みは人それぞれ違います。自分の悩みは誰も分かってくれないだろうと思われるかもしれません。

しかし、100%ではなかったとしても、悩みもがいている心を共に感じようとすること、理解しようとすることはできます。そのように寄り添いサポートすることに努めています。


◉カウンセリングを受けることの意味・効果

①心の重荷を下ろせる。

どんな悩みでも1人で抱え込むことほど辛いことはありません。その辛い思いや状況をすべて話すことで、心の中にたまっていた様々な重荷を下ろして、スッキリすることができるようになります。

 

②自分を理解し、受け入れられるようになる。

カウンセラーと対話を重ねながら、少しずつ穏やかな気持ちになっていって、客観的に自分自身のことを捉えられるようになっていきます。その信頼関係の中で自己肯定感が高まり、自分自身を受け入れていくことができるようになります。

 

③前に進んでいく勇気を持てる。

自分自身を理解し、自分を受け入れられるようになると、不安や緊張の中に閉じ込められていた所から出てきて、改善へのアプローチを進めていくやる気と勇気が持てるようになります。

 

④回復に必要な知識と方法を知ることが出来る。

強迫性障害や不安障害の悪循環の仕組みやどのようにしたらそこから出てこれるのかについての正確な知識と方法を一つ一つ理解できるようになります。


ここまで簡潔に悪循環の原因や回復の方向性について記載しました。

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①『強迫症&不安症から羽ばたく回復の8ステップ』‥回復の過程の全体像について

②『強迫性障害から回復するたった一つの法則』‥回復に必ず必要になることは何か?

③『強迫性障害の悪循環を打破する21の指針』‥生活の中の具体的な対応方法

『家族の悪循環を抜け出す3ステップ‥悩む子供のために家族が出来ることは?

⑤『共感的コミュニケーションの取り方』‥家族の悪循環をほぐす会話術とは?

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